日本型IT企業は、アメリカ型IT企業よりも劣っているのか?


そもそも優劣をつけるのは間違っているのかもしれないが、少なくとも劣っていると認識している日本人は多そうなので一度、考えてみようと思う。また、ここでは日本型IT企業は大成功しない、アメリカ型IT企業は世界的にヒットするサービスを作り出すことが出来る、という偏見のもと考えていく。

日本発のサービスとしては、最近ではLINEが対外的にも好調だ。LINEは通話やメッセージの送信が非常に簡単に行えるサービスで、高校生や大学生を中心に受けいられている。私自身はあまり使用することがないのだが、友人に聞くと、グループ全員にメッセージを送るには非常に便利だとか。また、アドレス帳から自動で同期してくれる点も大きなメリットのようだ。

まず、LINEが好調と言われている理由について考えてみよう。ビジネスは完全にパターン化させられるほど簡単なものではないかもしれないが、そんなことを言っていても仕方がないので、LINEが優れている点をいくつか挙げてみる。

・シンプル、少機能
・ユーザーが行う設定が少ない
・インフラに基づくサービス
・スマホのサービス
・多人数への連絡

ぱっと思い浮かんだ利点を挙げてみた。ここで私が思ったのは、初めて使った人が誰にも説明されなくても利用できるほどにシンプルだということだ。LINEは、他の人とコミュニケーションを取る、そこにエンターテイメント性を求めるわけではなく、ただ単純にコミュニケーションを取る手段としてのサービスなのだ。

他の日本型IT企業の場合、サービスそのものを他とは類を見ない形で希少性・独自性。ニコニコ動画でもそうだ。Youtubeのように、単に動画を見るためのサービスではなく、あえてコメントを流している。ここに日本型のサービスの特徴が見られる。

日本のサービスが世界に受け入れられないのは、分かりにくさにあるだろう。また大衆向けでないサービスが多いのも原因の1つになっている。LINEはそうした「日本っぽさ」から抜けだしたサービスだからこそ、対外的にも好調なのだろう。

しかし、本題はここからだ。果たして日本型IT企業はアメリカ型IT企業に比べて劣っているのか?確かに世界的に見ると爆発的なヒットは少なく、売上や市場の規模こそが全てであればアメリカ型IT企業には到底勝てない。

ただ、アメリカは国をあげてIT企業を支援している。それがアメリカの雇用につながり、景気を盛り上げる大きな要因となり得ることを認識しているからだ。それに比べると、日本は昔の考え方や様式に固執し、新しいモノを弾く傾向がある。国をあげるどころか、マスコミや古い大企業は反発さえしている。

以前、Googleが日本で訴えられていた。詳細は忘れたが、自分の名前で検索すると、その人を罵詈雑言や名誉を貶めるようなサイトが引っかかるということだった。裁判では勝訴したが、Google日本法人は支払う権限がないとし、Googleは日本の法律で規制されることはないと拒否した。

上記の裁判はその日本人にとって大変不幸なことだ。少なくとも日本で出た判決に法って対応してもらいたかった。しかし、逆に言えば、日本であればこうしたケースが後を立たず、「出る杭を打つ」日本ではGoogleのような企業自体が存在していなかったのではないだろうか。

日本では、そもそも大規模なサービスが受け入れられない国ではないか、もしくは、大規模なサービスを展開するには大きすぎるリスクがあるのではないか、というのが私の結論だ。特に珍しくもなんともない結論に至ったのだが、こうした理由でシンプルで大勢の人に受け入れられるサービスではなく、少人数でもコアなファンを集めるビジネスモデルが増えているのだ。

もちろん、日本のサービスはデメリットばかりではない。複雑なサービスが多いからこそ、隙間産業のようなサービスが存在する。日本は、2番以降に優しい国なのだ。大勢に受けるサービスではないからこそ、多くの企業が共存できる、日本はそういう国なのだ。

それをアメリカ型のIT企業を見習うべきというのは少々わがまますぎるだろう。日本は差別や不平等を嫌う国民性がある。アメリカを見習えば圧倒的な格差が生まれる点からも、日本では大規模なサービスではなく、独自のサービス、ガラパゴス的なサービスが生まれやすい国なのだろう。

大した結論には至らなかったが、最近読み直した「ホリエモン×ひろゆき なんかヘンだよね」でも日本のIT企業に関して「日本のITは進みすぎている」という話があった。今、世界的に受け入れられているサービスは既に日本でも行われていて、今はガラパゴス的な進化にまで至っているというような内容だった。

日本人の謙虚さは対外的にも誇れる文化だ。しかし、悲観的になる必要はない。自国を卑下する必要はない。日本型IT企業は大いに世界に誇れるのだ。

2012年8月17日 投稿:エイドギース




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