ニコニコ動画が始める、ブロマガという新サービスについて考えてみた


ニコニコ動画で新しく提供されるサービス「ブロマガ」の発表が21日、ニコファーレで行われた。ブロマガのコンセプトは、メールマガジンのアップグレードで、旧体系の課金モデルからも1ランクアップしたサービスを目指したものだ。

ブロマガを簡単に説明すると、ブログ・メールマガジン・生放送を1つのサービスとして提供できるようになったもので、以前まではメールマガジンでのテキスト形式でのサービスくらいしか個人や情報発信者が提供できるサービスはなかったが、リッチコンテンツでもこれが可能となった。

しかし、基本的には法人のみにしか提供されておらず、既に知名度のある法人や情報発信者でなければ、なかなかこういったサービスは成功しない。その為、ニコニコ動画側でも広告を掲載するなどの、現在のPV・ユーザ数を活かした取り組みが行われているが、当分の間はごく一部の著名人に限られそうだ。

私個人としては、自分が知名度がないこともあるが、今の知名度を活かしたビジネスが好きではない。今は個人の時代と言われ、それぞれが特徴を活かした環境・職種で情報発信するようになっているが、能力やコンテンツ面よりも知名度や個人が注目されすぎているのが、どうしても好きにはなれないのだ。

この「ブロマガ」もそういった側面が強く見られるが、今後のビジネスモデルを切り開いた点は非常に大きいと思われる。というのも、テキストでの情報発信には限界があった。これほどまでに様々なコンテンツが出てきているにもかかわらず、旧来のメールマガジンにしか情報発信者の課金モデルは存在しなかった。

それが、ブロマガで生放送を行うことで、今まではテキストのみだったのが音声や動画を届けられるようになり、また生放送ならではの企画も行えるようになった。ブロマガの発表の際にも言われていたが、ミュージシャン等にとっては非常にメリットのあるサービスだろう。また、現段階では未完成だが、電子ファイルの提供も可能になるようだ。

話は変わるが、このブロマガの発表で1つ議論になったのがユーザリストの管理についてだ。佐々木氏は購読者のユーザをコンテンツ提供者に委ねるべきとしており、それに対してハックル氏はブロマガ提供者のニコニコ動画に委ねたいとしていた。

メールマガジンを一時期行なっていた私からすれば、例え漏洩等のリスク管理を行う必要があっても、こちらでユーザ管理を行ったほうが圧倒的に融通がきく。自分のサービスを購読している人の傾向なども分かるのはもちろん、別のサービスに乗り換えることも簡単で、プラットフォーム側に振り回されることも少ない。

しかし、ガチガチのビジネスとして利用するのであれば、もちろんユーザリストをこちらで管理したほうがいいのだが、今後ブロマガが一般ユーザまでサービスを提供することを考えた場合は、現在の方が良いといえるだろう。ドワンゴがどこまでサービスの提供範囲を広げるかも分からない現在では、何とも言えない問題でもある。

ただ、今回の発表でも思ったのだが、一般ユーザに注目が集まるチャンスは増えているが、そのパイは増えることがない、もしくは入れ替わりが激しいため、こうしたサービスによって一般の人々の生活スタイルが大きく変わることはないのかもしれない。もちろん、サービスの利用者という面では非常に多種多様なサービスに触れられるようになるのだが。

やはり、これからは個人で仕事を行なっている人にどんどんスポットライトが当たるようになり、総じて企業に勤める人が埋もれていくのだろうか。こんなことは当たり前なのかもしれないが、ネットでも声が大きい人が得をするようになっている傾向は少し寂しくも感じている。昔は隠れ家というか逃げ場というか、そういった存在だったインターネットだが、今や隠れられる場所などなくなりつつあるのだ。

とは言え、ブロマガは今までの課金モデルを前進させた素晴らしいサービスだとは思っている。この先、どういう道を辿るかは分からないが、今後の課金モデルの変遷の大きなポイントとなりそうだ。

2012年8月22日 投稿:エイドギース




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