原発問題について再考してみた【大飯原発再稼働の是非】


大飯原発再稼働の判断リミットは迫っていると、前原誠司政調会長が発言した。原発の3,4号機が同時に動かせるようになるためには1ヶ月半程度かかることと7月に猛暑がくることを考えると、6月上旬には判断しなければならないのだ。

この発言を見て、自分なりに原発問題を再考してみようと考えた。今更感は否めないが、再稼働するかどうかが決まる重要な時期だからこそ、原発再稼働の争点や原発のリスクについて、再考する価値は大いにあるだろう。

まず、東日本大震災が来て、最初に報じられたのが津波による被害の大きさだ。これは想像以上に打撃を与え、東北東部は壊滅的な打撃を受けた。今も復興に力が注がれているであろうが、復興の様子について報じるマスコミはほとんどない。阪神大震災と比べても、自身の大きさはもちろん、津波の大きさも考えると非常に大きな災害であったにも関わらず、今や原発にしか国民の関心はないように思える。

阪神大震災を経験した私にとっては、少し寂しい気もする。マスコミがその地方の現状を報じ、そして優しい人達からの手紙などによって励まされてきた。気休めだと言われるかもしれないが、心が折れそうなときはその気休めこそが、自分たちの力になるのだ。様々な所で募金活動も行われているが、東北の復興の様子についてももう少し報道してもらいたいと思う。

私たちが自主的に調べるのと、テレビが報道するのとではやはり違う。テレビがもう一度投げかけることで考えることもよくあるのだ。

そして、次に報道されたのが原発問題だった。近畿にいる私にはそれほど影響はなかったが関東や東北が大変そうだということはよく伝わってきた。原発の状態については、報道される内容が事実かどうか分からず、「政府が隠していた」などとマスコミが報じると、報じられる情報よりも悪いニュースばかりを信用するようになってしまった。

これが、原発反対派を大量に生み出す原因になったのではないだろうか。今では、福島の事故は大したことはないとは言わないが、過激に報じられてきたよりも被害は小さいことがわかってきた。もちろん、放射能による事故には、あまり前例がない。原爆などと比べる人もいるが、放射能の種類が全く違うので、比べるべくもないのだ。

チェルノブイリ事故と比べて、遥かに被害は大きいという人もいたが、実際はチェルノブイリ事故とは事故の質が違うということを分かっていなければならない。チェルノブイリが崩壊した原子炉と比べると、事故そのものの大きさは福島原発のほうが小さかったのだ。放出された放射能に関しても、チェルノブイリ事故の1割とも言われている。

どのメディアが信じられるかわからなくなった今、与えられる情報よりも悪いニュースのほうが信ぴょう性が高いように見えるのはよく分かる。テレビや政府は、一切真実を報道しないと考えている人は少なくないのではないだろうか。しかし、少しずつ真実は明らかになってきている。被害が全くないわけではないが、国民全員がパニックになるほどではないのだ。

ただ、原発の再稼働に関しては、色々言われているが、少しずつその熱も覚めてきているように思える。今の対象は電力会社だ。日本全国の電力会社が槍玉に挙げられ、東電の次に叩かれているのが関西電力だろう。関西には橋下徹市長がいる。彼は、様々な改革に取り組んできたため、政治の救世主のように考えている人は少なくない。私も橋下徹市長に期待している人の1人だ。

しかし、最近は電力会社バッシングが激化しすぎているように思える。原発は電気料金のコストを下げるために、大きな役割を果たしてきた。原発事故前は、テレビのCMでも原発のCMが流れていた。原発で儲ける電力会社は汚い、といった声もちらほら聞くが、一民間企業が利益を優先するなとは、厳しすぎるのではないだろうか。赤字が続けば、人件費の削減など更に労働力が少なくなり、1人あたりの労働量が増してしまう。

更に東電のように政府が介入するようになってしまえば、電力の自由化など夢のまた夢になるだろう。様々な事業が民営化されている中、また政府管轄の公営事業になってしまうのは時代にも逆行している。小さな政府を目指していたはずが、また政府が大きな権力を握ることになってしまうのだ。

原発は止めて、節電も避けて、電気料金も上げるな、というのは無茶すぎるというのは誰が見ても明らかだろう。無駄は削減するべきだが、多少の無駄はどの会社にもある。その無駄が、労働力を増やすことに一役買っていることもあるのだ。そればかりを叩いていては、驚くほど多くの労働者があぶれることになる。

さて、原発問題について再考というか、少し振り返りながら自分の考えについて考えてみたが、私はやはり原発の再稼働には賛成のようだ。その理由として、原発事故の被害は大きいかもしれないが、地震に対する耐久性については、その信頼性が確認できたこと、CO2の排出量による温暖化(冷温化しているという噂もあるが…。)や原油の高騰、などを考えると、原発事故は取るべきリスクだと私は考えているのだ。

もちろん、原発による事故は起こらないほうがいいが、火力発電でも事故はあるだろう。違いは、事故による被害の大きさだ。この被害の大きさと原発により享受してきたメリットとの折り合いだろう。その上で、私は原発を稼働させるメリットのほうが大きいと考えているのだ。もちろん、これは反対派がいてもおかしくないし、いてしかるべきだろう。

私は新しい技術には希望を持っている。火力発電は私たちに安定的に電力を供給してくれた。原発は、電気料金の引き下げと新しいエネルギー資源として、新しい電力発電方法として活躍してくれた。いつだって経済を良くするのは、雇用を生む新しい技術だろう。

私は、日本の技術力には期待している。ここで、その流れを止めてほしくないのだ。ここで止めてしまえば、日本は電力という点において後進国となってしまうだろう。もちろん、自然エネルギーに関する研究は進めるべきだが、それは原発とも並行できる問題だろう。

原発の再稼働が嫌なのであれば、原発の被害がない地域を作ればいい。送電などの仕組みを整えることで、すぐには出来ないかもしれないが、技術的に克服することは可能だろう。

原発の再稼働の是非は、通常では考えられないほど国民全員が考えている問題だ。政治でいくら問題があっても、ここまで騒動になることはなかっただろう。これは日本人の正義感から来ているものだろう。これをなんとか前向きに活かしてもらいたいと私は切に願っている。

2012年5月27日 投稿:エイドギース




Copyright© 2012 エイドギース All Rights Reserved.